俺様男に心乱れて

今朝も思ったけど、あの男は俺様だわ。偉そうに…

顔はどことなく琢磨に似てると思ったけど、中身は全然似てないわ。琢磨はチャラいところはあったけど、もっと優しい子だったもん。


「マスター、コレ大事なものらしいので、届けに行って来ます」

「ああ、そう。気をつけて行って来なさい」

「はーい」

私は店を出るとすぐにタクシーを拾った。

住所が印刷されているので、運転手さんに封筒を見せ、「ココへお願いします」と言うと、運転手さんは頷き、タクシーは走り出した。

あの俺様男は、北島亮介って名前なのかしら…
その名前を言った時、電話の女性が息を飲んだ気がしたけど、それはなぜなんだろう…

20分ほどでタクシーは14〜5階建のビルの前で停まった。

「着きましたよ、お客さん」

「あ、はい」

私は3千円ほどの料金を払い、レシートを印刷してもらった。あの男にしっかり請求しなくっちゃ。