俺様男に心乱れて

「さあ、出発しようか?」

「うん、どこへ連れていってくれるの?」

「まずはちょっと離れた所」

「買い物を見せてくれるのね?」

「そう。その後は、高速を走ってみたいから、海なんかどうかな?」

「うん、いいわよ」

亮介さんと一緒なら、どこでもいいの。



どこを走っているのかサッパリ分からないまま車に揺られていると、見晴らしのいい丘の上で亮介さんは車を停めた。

「着いたよ。降りようか?」

「うん」

車から降りた場所は、何もない空き地だった。ここから歩くのかしら…

「寒いかい?」

「ううん、大丈夫」

その日は風がなく、陽射しが柔らかくて小春日和だった。

「ここ、どう思う?」