俺様男に心乱れて

亮介さんに言われ、私はアパートを引き払い、亮介さんと一緒に暮らすようになった。

それと同時に喫茶店の仕事は辞めさせてもらった。亮介さんは辞めなくてもいいと言ってくれたけど、私の意志で辞める事にした。

だって、家事をちゃんとして、夜はご飯を作って亮介さんをお迎えしたいから。まだ奥さんじゃないけど、奥さんみたいにしたかったから。


仕事は辞めてしまったけど、マスターが煎れてくれるコーヒーが飲みたいのと、マスターや健ちゃん、それと美緒ちゃん達に会いたくて、家事の合間に喫茶店へはよく行っていた。


今日も喫茶店に行くと、カウンターの向こうからマスターが笑顔で迎えてくれた。

「やあ、小枝ちゃん。今日はいつにも増して幸せそうな顔してるね。何かいい事があったのかな?」