俺様男に心乱れて

「その女性の名は藤堂倫子。俺の秘書兼パートナーだ」

「パートナー?」

「仕事のだよ。人生のじゃないからな?」

「そ、そうよね。綺麗な人?」

「まあな。と言っても、小枝子ほどじゃないよ」

「え? う、嘘ばっかり…」

「嘘じゃない、本当だよ?」

亮介さんに真顔で言われ、私は顔が熱くなってしまった。


「その人の香水の臭いが、なぜあなたに伝染するわけ?」

「それはだな…、誤解するなよ? 倫子が時々抱き着いてくるからだ」

「そ、そういう関係なの!?」

「違う。誤解するなと言ったろ? 今はそういう関係じゃない」

「”今は”?」