俺様男に心乱れて

「じゃあ、美緒の部屋に布団を敷くとしよう」

「ねえ、おねえちゃん?」

「なあに?」

「わたしのママになってくれるの?」

「え、それは…」

「美緒、そんな事言うんじゃない。おねえちゃんが困るだろ?」

「パパだって、おねえちゃんがママになってくれたらいいよなって、言ってたくせに…!」

「こら! 余計なことを言うな」

マスターに叱られて、美緒ちゃんの目が見る見る潤み出した。

「美緒ちゃん、ちょっと考えさせて? ね?」

私がそう言って美緒ちゃんの頭を撫でると、「うん」と美緒ちゃんは言ってくれた。


マスターが床に敷いてくれた布団に二人で入ると、もう遅い時間だからか、美緒ちゃんはスンナリと可愛い寝息をたて始めた。

私は昼間たっぷり寝たせいで全く眠れる気がしなくて、そっと布団を抜け出した。