俺様男に心乱れて

私はマスターの後ろに隠れていて、頃合いを見て「バア」と顔を出した。

すると美緒ちゃんはビクンとして、しばし呆然と私を見つめた。

私の顔、そんなに酷いのかしら?

「お、おねえちゃん?」

「そうよ。美緒ちゃん、こんばんは。きゃっ」

美緒ちゃんが私に飛び付いて来て、危うく後ろに転びそうになってしまった。

「遊びに来てくれたの?」

「お泊りにきたのよ。いいかしら?」

「やったー」



「美緒、お風呂の用意はしてくれたかい?」

「うん、したよ」

「美緒ちゃんがお風呂をですか?」

「そうなんだ。美緒にはちょっときついんだが、そうしてもらわないと寝るのが遅くなるんでね…」

まだ幼い美緒ちゃんがお風呂掃除をする姿を思い浮かべたら、目頭が熱くなった。