迷ったけど、開けてみた。

『まだ治らない?』

『今からそっちへ行くよ』

『どこにいるんだい?』

亮介さん、アパートに来たんだ…

ボーッとしていたら、手の中の携帯がブルブルっと震えて私はビクッとした。

亮介さんからの4通目のメールだった。もう、放っておいてほしいのに…

私はそのメールを開かずに、電源を切った。そして急いで着替えると、アパートを飛び出した。

ふらふらと夜道を歩いていたら、知らない内に喫茶店の前に来ていた。窓越しに、コーヒーカップを拭いているマスターの姿が見える。

私はきっと、人恋しくてここに来たんだと思う。誰かに話を聞いてほしくて…