ああ、頭が痛い…。夕べはちょっと飲み過ぎたかなあ。

私は隣で寝ている琢磨の逞しい裸の胸に頬を寄せ、「琢磨、頭が痛いの…」と、ちょっと甘えた声を出してみる。

あれ?

琢磨の体って、いつの間にこんなに逞しくなったの?
というか、何で別れたはずの琢磨がここにいるんだろう…

「だから…、俺はそんな名前じゃねえから」

頭の上から聞こえた低い声は、その言葉の通り琢磨の声じゃない。

え?

と思って声の主から顔を離し、その顔を見てみれば…

だ、誰よ、この人?

見知らぬ男が苦笑いを浮かべ、私のことを見ていた。

うわあ、綺麗な顔…
琢磨が10年経ったら、こんな感じかしら。

なーんて事を考えてる場合じゃないでしょ、自分!