「お姫様泣いちゃってるよ? いいのかな?王子様?」 「…まだだ。」 「はい?」 「まだ、これからだ。」 「これからが本気ってことか。」 長谷川君は私のほうを向いて にこっと笑った。 私はただ、 それにうなずいた。 それからの試合は 本当にすごかった。 長谷川君は何かが 宿ったように変わった。 本調子ではなかったけど、 一気に強くなった。 で… 「…か、勝った…!!」 三点差をつけ、 長谷川君は見事 キャプテンに勝利した。