私の張り詰めた気持ちがウタクに伝わったのか、 「遊び心の無い奴だな……で、お前の聞きたいことは何だ?」 覗きこんでいた顔を離し、小言を口にしながらも話を先へ促してくれた。 夜風が吹いて木々を揺らし、私とウタクの髪を撫でていった。 暗闇でも月明かりの下、ウタクの髪はキラキラと輝く。 黒髪の私にはない光……。 ……私も人間じゃなくなれば……ウタクのような髪色や目の色になるの? 生まれてしまった新たな不安を消し去るように、唾を飲み込んでから口を開いた。