「お前に嫁へ来いと言っただろう?」 「うん……どうしてその条件なのか気になってた……」 私は頷くとウタクを見つめた。 「俺はあやかしの世界では善狐達のトップの血筋にいる。 だから神社の神であり、神である者は……」 「あ!待って、ウタク……ぜんこ、って何?」 説明の途中で私が止めたから、ウタクは大きくため息を吐いた。 「そんなものもわからんのか」 「普通の人はわかんないよ」 わざわざ興味なきゃ調べないよ。