「何かと思えば……」 ザァッと目を開けていられないほどの風が吹いた後、ウタクの声が頭ではなく耳に響いた。 「そんなつまらんことを言いに来たのか」 「……ウタク」 突如として神社にウタクが現れた。 やっぱり、神様だと認めざる負えない。 「叶えられもしない願いを叶えるって言って、私を騙そうとしてるんでしょ?」 「……ほぉ……叶えられもしない、ねぇ」 切れ長の青い目がさらに細められ、私を試すように見てくる。