肝心な時は知らんふりなんだ。 それとも用があるなら神社へ来いって? 絶対近寄らないって決めてたのに……。 私は、ウタクの思うがままだとわかっていながら、神社へ急いだ。 「ウタク!聞こえてるでしょ?出てきなさいよ!」 『……』 木々がざわめいた。 暗くなった神社に厳かな雰囲気が漂う。 ウタクが近くにいることがわかる。 それでも返事はないし、姿も見せないので、私は一方的に質問を投げかけた。 「……ねぇ……私のこと、騙そうとしてるんでしょ?」 風が強く吹く。