狐に嫁入り!?



――――・・・・・・


目が覚めると神社にいた。

境内は夕暮れでオレンジ色に染まっている。


「ウタク……」


辺りを見渡しながら呟くけど、もちろん返ってくる声はない。


「待ってるから……なんて。出会った時と立場逆転だね」


なんだかおかしくなって私は小さく笑みを零した。



ウタクの言う通り、幸せの形は変わるのかもしれない。

幸せに限らず、欲しいものも、夢も、自分自身も。


それでも私が今、探している幸せはウタクが握っている。


「私、信じてるから」


ウタクが迎えに来てくれるって。


きっと隠れて私の様子を見ているであろうウタクに告げ、私は神社を後にした。