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目が覚めると神社にいた。
境内は夕暮れでオレンジ色に染まっている。
「ウタク……」
辺りを見渡しながら呟くけど、もちろん返ってくる声はない。
「待ってるから……なんて。出会った時と立場逆転だね」
なんだかおかしくなって私は小さく笑みを零した。
ウタクの言う通り、幸せの形は変わるのかもしれない。
幸せに限らず、欲しいものも、夢も、自分自身も。
それでも私が今、探している幸せはウタクが握っている。
「私、信じてるから」
ウタクが迎えに来てくれるって。
きっと隠れて私の様子を見ているであろうウタクに告げ、私は神社を後にした。

