幻想的な玉虫色の光と、小さな竜巻が私を包み込む。 私の覚悟も軽く見られたものだ。 これがウタクの優しさだとしたら間違ってるし、 人間界へ帰ることが私の幸せだと思っているなら鈍感すぎる。 「大体……ウタクはそれで幸せなの?」 術を唱えているウタクが、一瞬言葉を詰まらせた気がした。 それでも人間界への扉は開くばかり。 「ウタク。私、待ってるから」 だから、早く迎えに来てね? 私は強い風に立っていられなくなり、尻餅をつくと同時に意識を失った。 最後まで、ウタクの返事は聞こえなかった。