狐に嫁入り!?



「ウタク、ちゃんと迎えに来てくれるんでしょう?」


私の質問にウタクは顔を逸らした。


「さぁな」

「お母さんの手術が成功したら、あの神社へ行けばいい?」

「……」

「ウタク?」


ねぇ、迎えに来てくれるんでしょう?


私はもう一度、確かめるように顔を覗きこんだ。



「……もう、あやかしの世界へ来るな」



空から降り注ぐ柔らかな光に相反するような、暗く冷たい拒絶。

そんな言葉をもらうために、顔を覗きこんだんじゃない。

私は放心状態になる。


「なにそれ……?」


「それがお前の幸せだ」


私の幸せ?

何よ……それ。