でもきっと……ウタクの言う通り、心配ないんだと思う。


ウタクの屋敷まで無事に帰ってこれたし、

顔を上げた時の大神様は……何かから解き放たれたようだった。


これからも大神様の元であやかしの世界は統制されていくと思うし、掟にも厳しいのかもしれない。


だけど、今日みたいなことはなくなるはず。

そう、信じよう。

うん、大丈夫。


小さく一人で頷いていると、


「あ、あれ?実雨ちゃん、髪が元に戻ってない!?」


今日ばかりは歓迎ムードで狐達に迎えられているナライが隣で声を上げた。


「え……?」


そう言われれば腰まであって邪魔だった髪が少し軽くなったような……私はひと房掴んでみた。


「わっ!ホントだ!ウタク、何これ!」


私の髪が……色は黒色に、そして腰まであった長さも肩まで戻っていたから。


金狐になってたのに……これじゃ、元の人間みたいじゃない。