疑問に思い引っ張ってみると、自分の頭の根っこが痛くなった。


「……え?私、金髪になってる!?」

「当然だ、実雨は金狐(きんこ)になったんだ」

「き、金狐……?」


頭がついていかない。

たぶん今の私は戸惑った表情をしているだろう。

そんな私を見て、ウタクはスッと目を細めて口角を上げた。



「正真正銘、俺の嫁になったということだ」


「ウタクのお嫁さん……」



もう後戻りはできないぞ、と言わんばかりの笑みを浮かべるウタク。


頭を触ったら、狐の耳らしき手触りがあった。

金色の髪は長くて、立ち上がるとお尻まであって、同じ色の尻尾も生えていた。


傷も全て治っていたのは、進化したからかもしれない。



ついに一人から一匹に変わってしまったんだ。