『狐の神様に会ったと、本当のことを言えばいいだろ?』 ……え? ウタクの声!? ここは教室。 そんなはずはない……! 私は辺りを見渡したが、やはりウタクの姿はない。 そうだよね。 ウタクがいたら大騒ぎになってるだろうし。 「実雨?どうしたの?」 挙動不審な行動をとる私に、友達が眉を寄せて聞いてきた。 「ううん!なんでもないよ。私もご飯食べよっと」 私が何事もないかのように友達の輪にまざり、 持ってきていたお弁当を広げた時…… 『質素な弁当だな』 ……やっぱり聞こえる、ウタクの声!