私の言葉を聞いたナライは辛そうに眉を寄せた。


「それが実雨ちゃんの答え?」

「え?」

「悩んだだろ?こっちの世界帰ってきて……皐月のとこ、行くぐらい。

その時、丁度実雨ちゃんの様子見てたから」


悩んだし、苦しかった。

一日がこんなに長いと思わなかった。

感情に任せた行動かもしれないけど、たぶんいくら考えても最後にはこの答えになると思う。



「実雨ちゃん……やっぱりウタクのこと好きなんだな」

「え!?そ、そうじゃなくて……」


顔が熱くなるのを感じて、私はそれをごまかすかのようにアタフタと身体を動かした。

ナライは何かを決めたようにフゥッと息を吐いた。



「いいよ。わかった!俺も……男だ!実雨ちゃんが望むなら……」


「ナライ!じゃぁ!?」


「あやかしの世界、一緒に行こう」



力強い笑みと差し出された手。


「ありがとう!」


私はお礼を言って、その手を取った。