神社を後にして向かった先は学校。 着いたころには丁度お昼休みだった。 「実雨!今日休みかと思った!」 教室に入って友達に声をかけられる。 「遅刻なんて初めてじゃない?どうかした?」 「う……うん、ちょっと……」 「あ、お母さん?容体が良くないの?」 「あー……まぁ……」 私の家の事情を知っている友達は心配してくれた。 本当のことを言っても信じてもらえないだろうし、 冗談でも「母の容体が良くない」とは言いたくなくて、私は曖昧に濁そうとした。 ……けど、濁せなかった。