全てを振り切るように授業に集中しようとした。 できたかどうかはともかくとして。 「実雨、明日も来るよね?」 授業が終わり、帰り支度を整えていると友達に聞かれた。 「……うん、もちろん」 「よかった。なんとなく……確認しておきたくなって」 力なく笑って「また明日」と言い合って別れた。 学校を出てから家には帰らず、そのまま病院へ寄ることにした。 「お母さん、体調どう?」 病室のドアを開けて中を覗く。 昨日と変わらず、青白く細い母は私の顔を見ると笑ってくれた。