「実雨、学校休んでどうしてたの!?」
「お母さんの看病だって。偉いよね」
私の代わりに友達が答えてくれる。
その答えを聞いた友達が、何に安心したのか胸を撫で下ろした。
「よかった……実雨の頭がおかしくなったわけじゃないんだね」
「……は!?」
私の頭が……って、どういうことよ。
「だって実雨、休む前、高速のハエがいるとか言うし、授業中に頭振りだすし……おかしくなったのかなって」
「……あ、あれは……」
全部、ウタクの仕業だよ。
おかしいな……学校へ来たら……ウタクのこと、忘れられるって思ってたのに。
こんなところにも、ウタクの欠片があったなんて……。

