学校へ着くと……。
「み、実雨!!」
既に教室にいた友達が驚いて声を上げた。
「久しぶり」
気まずいような、照れくさいような……曖昧な笑顔を浮かべて私は自分の席まで歩いた。
「久しぶりって……呑気に挨拶してる場合じゃないって!実雨、どうしたの!?なんで学校来なかったの!?」
友達が勢いよく、血相を変えて私の元へ駆け寄ってきた。
私はその勢いに圧倒されて、一歩後退してしまう。
「ちょっと……いろいろあって」
「いろいろって……お母さんの看病?」
「うん、まぁ……」
言葉を濁すしかなく、小さく頷いていると、
「あ!実雨が来てる!」
今度は登校したての友達が、私を見つけて駆け寄ってきた。

