「学校に行く準備でもしよう」
落ち着かないから始めた準備は、どれだけゆっくり手を動かしても、早く起きていたために、時間が余ってしまった。
私は学校の鞄から教科書を取りだした。
普段なら絶対しないことだけど。
十日間、学校へ行ってなかったから授業が遅れてる。
国語の難解な文章も、数学のよくわからない公式も、漢字がならぶ歴史の出来事も……
全然頭に入ってこないけど、文字をなぞるだけでも気が紛れた。
「ノートはコピーさせてもらうとして……よし!そろそろ行こう!」
やっぱり少し早い時間だけど、私は学校へ行くことにした。

