狐に嫁入り!?



自分が眠りにつく瞬間を覚えている人なんているはずがない。

大体そんなこと考えたってしょうがないのに……。


「そうだ……眠れない時は羊を数えるといいって言うよね……?」


いつもなら絶対に試さないこと。

そして信じていないこと。


それでも試そうかと思ってしまうほど、何かで気を紛らわせたかった……。



「羊が一匹……一匹……かぁ……」



一匹目でつまずいてしまった。


私も、今ここにいなければ、ウタクのお嫁さんになっていれば……一人じゃなくて一匹だった……。


「だ、ダメダメ!今は羊を数えることに集中!気を取り直して……羊が二匹……羊が三匹……」


そういえば羊にも……いるのかな?


……神様って……。



もう……ダメだ、私。



何を頭に浮かべたって……ウタクに結びついちゃうよ。