「何か買いに行きたいけど……」
外は暗くなり始めてる。
夜の暗さはどこか切なさを感じさせるから、今の身には堪えそう。
「でも今ならまだ完全に夜じゃないし!よし、スーパー行こっ!」
私はお財布を掴むと気合いを入れて外へ駆け出した。
歩いて15分程度のところによく行くスーパーはある。
丁度着いたころはお弁当やお惣菜に半額シールが貼られていた時間帯だった。
その中でも、いつもは高級で、いくら半額でも手を出さないハンバーグ弁当を取った。
「……今日だけ、今日だけ!」
人間界に無事帰還したお祝いも兼ねて、贅沢をしてしまおう。
「あぁ……でもやっぱり!!」
いつもの安いのり弁にも手が伸びる。
お財布の中にいくらあるかは把握してるけど、今月あとどれくらいいるか計算してないもん。
あやかしの世界に行っていた10日間の食費が浮いた……と言えば浮いたけど。

