願いが叶って母が退院しても一緒に暮らせないし、友達と会うことだってできなくなるんだ。 「そんなの受け入れられない。もっと、別の何か……」 「別の何か?お前にはそれしかない」 「えぇ!?」 あまりにも非情な言葉に、私はウタクの近くまで駆け寄り着物を引っ張った。 「お、お金なら、これからバイトして!油揚げも買うから!」 「自分の価値が油揚げ程度だと認めるのか?」 「話をすり替えないで!」 「あぁ……今の顔いいな」 呟いたウタクが顎をグッと引き上げた。