ウタクは紙を破り捨てた。
「皐月」
皐月さんの姿も気配もなかったのに……
「はい」
ウタクの一言で、すぐに皐月さんは姿を現した。
「俺が紙の内容に気付かず名を書くと思ったか」
「……いえ」
「つまらんことをするな」
ウタクは失念の表情で座り込んでいる皐月さんを見下ろした。
皐月さんは唇を噛んで悔しそうな顔をしている。
私との結婚を最後まで邪魔するんだね……。
祝福されようなんて思ってるわけじゃないけど、ウタクと結婚することで苦しむ人がでるのは辛い。
どうしたらいいのか、わからないけど。
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