「……お前、どこを見ている?」
「え?夜景でしょ?だから景色を見て……」
「ほぉ……夜景の意味もわからんらしいな。そんな奴はここから突き落としてやろう」
暗い中、ウタクの笑みが浮かびあがる。
冗談じゃない!
ここから突き落とされたら命が無くなる!
「ま、待ってよ!なら、ウタクが言う夜景の意味を教えてよ!」
ウタクに言いながら私は横歩きでジリジリと移動し、柵から離れた。
不自然極まりない動きで、ウタクが気付いてないはずはないけど、私に対しては何も突っ込まず、ウタクは質問に対して口を開いた。
「夜景は夜にしか見えない景色だろう」
「それ、答えになってない」
「景色は何も、作り出されたものばかりじゃない」
「……え?」
ウタクがゆっくり視線を上げた。

