「物見やぐらだ」
「も、物見やぐら?」
物見やぐらって、敵が攻めてきたりするのを見渡せるようにできた高い場所だよね?
確かに屋敷の屋根は目下にあって、このやぐらがすごく高いのはわかるけど……屋根もなくて雨風防げないし。
イメージと違う。
「まぁ、物見やぐらと言っても屋敷と隣接した人間界でいう展望台のようなところだ。本来の物見やぐらは別の場所にある」
「じゃぁここは景色を楽しむ場所ってこと?」
夜景を見せてくれるって言ってたし。
さぞかし最高なんでしょう?
そう思って、私はやぐらの端まで寄って、集落を見下ろした……
けど、それにしては景色が良くないような……。
明かりはポツポツ、とあるくらい。
人間界の夜景に慣れてしまっているからかな?
すごく寂しいものに思えた。

