私の言葉を聞いた男は「あぁ」と何かに気付いたような顔をした。
「そうか。お前は貧乏だったな」
「そ、そうよ。だから何よ……?」
今更気にしないとは思っていたけど、ハッキリ言われると心が痛くなる。
「さい銭はいつも1円だった」
「い……1円って大事なんだから」
お参りするにはやっぱりおさい銭が必要だと思い、毎日1円をさい銭箱に入れていた。
私達の生活にとっては大事な大事な1円。
しかも1000日だから千円になってるし。
……あれ、神様だと名乗った男は……
どうして私が毎日、1円をさい銭として入れていたことを知ってるの?

