ちょっと待ってよ! 京都に行くお金もなければ、見ず知らずの男にごちそうする余裕もないんだから! 「無理!」 「ほぉ……そんな口を聞いていいのか?」 「いいも何も、現実を考えて答えてるの!」 「願いを叶えてやるって話も無しにするぞ?」 「そ、それは……!」 それは困る! 母を元気にする力がこの男にあるかどうかはすごく疑わしいけど、 でもやっと見つけた唯一の光でもある。 ……ちょっとぼんやりした光だけど。