二人の様子を思い浮かべながら、皐月さんの言葉の意味を考える。


「私という力……」


確かウタクが、精霊の血と人間の血が混ざることで特殊な力になるって言ってたっけ。

恐らくそのことなのだろう。


なのに、まだウタクが力を必要としているのなら、皐月さんの言う通り、どうしてなんだろう。



「皐月、お前は余計なことを言いすぎだ。今日はもう下がっていい」

「ウタク様!」

「あと実雨のことはもう放っておけ」

「……か、かしこまりました」


皐月さんが渋々返事をする。


よかった!

これで私、皐月さんのいじめから解放されるんだ!