「ウタク!助けてー!」 とにかく力の限り叫んだ。 少しだけ妖狐も声の大きさに身を縮めたようだったが、すぐまた元の血気盛んな様子に戻る。 「わ……もう、ホント無理!」 足で追い払ってみるけど全く効果無し。 半ば諦めかけた時…… 「大丈夫か!?」 「……へ?」 ウタクでも皐月さんでもない、太くて低い声が聞こえた。 「そこ、動くなよ?」 動くな、って!?