狐に嫁入り!?



ウタクはそのまま私の元から離れようとした。


「待ってよ。助けてくれないの?」


私の声にウタクが足を止める。

青い目がいつもより凍てつくような冷たさを放つ。


「掃除からか?いいんじゃないか、少しは腹も凹んで凹凸のある身体になるだろう」

「……」


お腹ならもう既に空腹で凹んでる。

ウタクはまるで他人事。


そりゃそうだよね……元々ウタクは優しさなんて持ち合わせてないんだし。


それにウタクなら術を使ってあっという間のこと。

私みたいな手足使ってせこせこ掃除する人間じゃないんだ。