皐月さんの冷酷な視線に胸まで痛くなる。
「あなたの仕事の遅さでご飯を食べている暇はないでしょう」
当たり前のように述べると、どこに持っていたのか、竹ぼうきを差し出してきた。
「ついてきなさい。あなたにお似合いな土の上へご案内致します」
「……嫌。ご飯食べたいし、もうこんなイジメみたいな掃除したくない」
「なら人間界へ帰ることです」
何も言えなくなった。
黙りこむ私を目線で一蹴すると皐月さんは歩き出した。
……帰れるわけないじゃない。
私は少し距離をあけながらも、竹ぼうきを握りしめて皐月さんの後へ続いた。

