部屋には香が焚かれていた。

いい香りがする。

壁には水墨画の掛け軸や金箔が施された衝立、細かい絵が描かれた花瓶等、豪華絢爛なものが多い。


一つ一つに目を奪われていると、ウタクは部屋の真ん中に腰を下ろした。


「そろそろ飯の用意も整うはずだ。お前も座れ」


ウタクに促されるまま、隣に腰を下ろす。