私は息を荒くしながらも辺りを見渡した。 「で?……ここが……あやかしの世界?」 「そうじゃなければお前が目指した場所はどこだというのだ?」 「……いちいち腹立つなぁ」 私が横目で見るとウタクは微かに笑った。 あやかしの世界は人間界とそれほど変わりなかった。 思ったより過ごしやすそう。