ウタクの腕を掴んだまま、ふいにそんなこを考えて固まっているとウタクが私の手を振り払った。 「お前もいずれこうなる。恐いからやめるか?」 私の考えにウタクが答えをくれた。 ……望まない解答ではあったけど。 ……いつも私のことを第一に考えてくれている母。 今日だって咳き込みながら私を気遣ってくれた……。 私も……私も母のために何かしてあげたい。 「やめない。差し出す……お嫁に行くよ」 私が強い意志を持ってウタクを見つめると、ウタクは「ほぅ」と満足気に笑みを浮かべた。