「聖君~次理科室だって… 」 「おう。」 梅雨が明けて、初夏の心地いい風が窓際の俺の席を包む。 あぁねむて~。 大きく背伸びをした。 目の前でクスクス笑う明は… 明で… でも… 聖美で… あの春の日以来、聖美は明として俺の目の前にいる。 明として過ごす時間は聖君と呼び、ふたりきりの時はお兄ちゃんと呼ぶ。