「話すわ… 家に行きましょう。」
駆け降りてきた坂を無言のまま引き返す。
マロンが心配そうに見ている。
夕暮れの空は、ピンクにも紫にもオレンジにも見えてすごく綺麗で…
「空を見れたから… 青い空も… 夕暮れの綺麗な空も… 聖美があたしに見せてくれたから… 」
「本当に綺麗だね… 」
「だから… あたしは光の世界を見る事が出来ただけでじゅうぶんだったの。聖美を犠牲にして聖美から角膜までもらって… あたしだけ幸せになるなんて出来ないでしょう?? 」
「そんなことないさ。」
「同情ならいらない。 気休めならやめて… 」
もうこれ以上あたしの中に入って来ないで…



