坂道を登り終え、呼吸を整える。 汗が額から流れ落ちる。 ここまで来たのに… 明がそこにいるのに… チャイムを押す事が出来ない。 指は震えて、喉は乾ききって… 「おじいちゃん、マロンの散歩行ってくるね!!」 明の声が聞こえて、とっさに隠れてしまった。