「すいません。この辺に春川さんのお宅はありますか?? 」 田んぼで、作業中のおばさんを捕まえた。 泥だらけの顔、日に焼けた小麦色っていうか黒い肌が印象的だった。 「春川さんのお宅なら、ほれあれだよ。」 おばさんの指さす先は、坂道の登りつめた先にある立派な家だった。 「ありがとうございます。」 一礼すると、暑い中、限りなく続くように思える坂道を登り始めた。 やっと明に会える。 明に会って… 明に謝って… 明を抱きしめたい。