「あれ?どこかで道間違えたか?」




今来た道を引き返したり、地図を見返したり、人に尋ねたり、途中野良猫とじゃれること約20分。





「住所的にはやっぱりここなんだよな…」



と、目の前にそびえ建つでっかくて真っ白なマンションを見上げる。







「でも、おかしくねぇか?」



だって今着いてるこの場所には本来なら今日からお世話になる、言い方は悪いが手ごろな家賃のマンションがあるはずで、こんなデザイナーズマンションのはずがない。


まず俺がここに住みたいと言い出したとこで、あのドケチババァ(母親)が許さないだろう、こんな家賃の高そうなところ。




じゃぁ、どういうことだ?

近くにそれらしい建物も見当たらないしなぁ。

うーん。








「とりあえず、管理人さんに電話してみよう。」



分からないことは分かる人に聞くに限る。

聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥だ!