陰陽(教)師

しかし、河童はその鉤爪の一撃をかわした。

嵩史は鉤爪を振るった勢いを使って、後ろ回し蹴りを放った。

その蹴りを受け止めた河童の左腕に、嵩史は目を留めた。

河童には、左手首から先が無かったのである。

河童は蹴りを受け止めたまま、口を開けた。

「やべぇ!」

嵩史はすぐ左足をひき、体勢を立て直すと、そのまま垂直に跳んだ。

それと同時に河童は塊を発射した。

塊は嵩史がいた場所を直撃、空中の嵩史を大量の枯れ葉と土煙が追った。

空中で嵩史は毛を逆立てた。

頭部はすでに猫、いや獣と化している。

嵩史は毛針を1本、河童に向けて放った。

毛針は河童の左肩に突き刺さり、苦痛に満ちた河童の叫び声が辺りに響き渡った。

河童の鼻先に着地した嵩史は、そのまま河童の顔面に右拳を放った。

嵩史の強烈な右ストレートをくらった河童は、吹き飛んで、地面に叩きつけられた。

それきり動かなくなった河童に、嵩史は歩み寄った。

「なんだコイツは…」