陰陽(教)師

嘴(くちばし)を持ち、背中には甲羅。

そして頭には皿。

影の正体は河童だった。

「見つけたぞ…」

河童は、呻くように言った。

大きく見開いた丸い目は完全に血走っている。

河童が口を開けた。

次の瞬間、そこからゴルフボールほどの大きさの塊が、善吉に向かって発射された。

「お祖父さま危ない!」

明菜が善吉をかばって、共に地面に倒れ込んだ。

塊は2人から少し離れた地面を直撃し、大量の枯れ葉と大きな土埃を巻き上げた。

「手榴弾かよ!?」

そんなはずはないのだが嵩史は思わず叫んだ。

いや、それ以前になぜここに河童が?

河童は善吉に対してあからさまに敵意をむき出しにしている。

善吉とこの河童の間に一体なにが?

「…考えてるヒマはねぇか」

嵩史は地面を蹴って、河童との距離を一気に縮めた。

猫又である彼は、人間の数倍の身体能力を持つ。

嵩史は右腕を獣のそれに変化させると、河童に向けて鉤爪を振るった。