陰陽(教)師

嵩史は感嘆の声を漏らした。

「海外で働くなんて想像つかねーな」

「そうかの」

善吉は再び歯を見せた。

「でも本当にびっくりしたわよ」

明菜は善吉のジャケットを引っ張った。

「正月も帰って来なかったのに、突然姿を見せるんだもの」

「今年はバカンスまで帰るつもりはなかったんじゃが、知り合いが面白いものを手に入れたと連絡をよこしての」

「面白いもの?」

「それを譲ってもらうために帰国したんじゃ」

「それって、なに?」

「実はな…」

明菜の問い掛けに善吉が口を開きかけたその時。

「見つけたぞ!」

激しい怒声が響き、突然現れた黒い影が善吉に躍りかかった。

「危ねぇ!」

嵩史は即座に反応した。

影に向かって右足を飛ばしたのである。

蹴りつけられた影は弾き飛ばされたものの、ふわりと着地し、3人から少し離れた場所まで後ずさった。

嵩史は影の正体をまじまじと見た。

1.5mほどの体躯に緑色の肌。