陰陽(教)師

「先日もな…」

老人が話を切り出そうとした時、嵩史は先ほどまでいた一本道から何かの気配を感じた。

「三池君!!」

凜とした声に呼び掛けられ、嵩史は一本道に目を向けた。

そこには紺のダッフルコートを着た明菜がいた。

顔を紅潮させ、ほぼ仁王立ち状態。

『…怒ってるな』

嵩史は今さらながらそう思った。

明菜はずんずんと嵩史のもとまでやってくると

「今年はもうさぼるなって言ったでしょ!」

今にも掴みかからんばかりの勢いで、嵩史に迫った。

「このままじゃ、卒業どころか進級もできないわよ!?」

「あー、はいはい…」

嵩史は耳をふさぎたくなる衝動を何とかこらえた。

この委員長は担任よりも厳しく、うるさい。

寄り道したことを後悔し始めたその時。

「なんじゃ、コイツは明菜の友達か」

老人がそう言った。

「…お祖父さま?」

数秒の間が空いた後、明菜は目を丸くした。

「いつ帰ってきたの!?」

「昨日じゃよ」