陰陽(教)師

2限目の休み時間に学校を抜け出し…つまりサボり、昼寝に来ていた。

裏山の雑木林の一画には開けた場所がある。

そこは風もなく陽あたりがいい。

冬場でも充分暖かくて、大人が一抱え出来そうな、大きな切り株がある。

その切り株に背を預けて昼寝するのが、嵩史のお決まりだった。

今日もたっぷりと惰眠をむさぼり、空腹を覚えて目が覚めた。

腕の時計を見ると昼の12時20分。

学校はもう昼休みに入っている。

嵩史は身を起こし、毛布代わりにかけていたモッズコートを羽織った。

コートのポケットから携帯を取り出し、開けてみると、着信が10数件にメールが1件。

相手はすべて「委員長」だった。

嵩史は小さなタメ息をつきながら、クセ毛の頭をかいた。

委員長こと五島明菜は同じ妖怪仲間である。

委員長を務めるだけあって性格は生真面目。

自分とは正反対である。

クラスの妖怪仲間同士、連絡先を交換しておこうと提案してきたのも彼女だった。